XEM基本情報

ネム (XEM) の概要

ネム (XEM) は、セキュリティが高く非常に用途の広いオープンソース型仮想通貨プロジェクトです。ネムとは、新しい経済運動 (New Economy Movement) の略称であり、プロジェクト名です。ネムには、モザイクと呼ばれるトークン発行システムがありますが、これにより発行されているネムのプロジェクトのメイン通貨が、ゼム (XEM) となります。日本では、ネム (XEM) として表記・認識されることが多い傾向にあります。ネム (XEM) 自体のセキュリティは高く、ハッキングや不正行為が行われていないのも特徴です。また発行枚数が増えることはなく、将来のインフレによる価値低下懸念が少なくなっています。

ネム (XEM) の特徴

ネムネットワークの大きな特徴としては、現実の国家、金融機関にすでに使われている点でしょう。リトアニアでは、独立を祝う記念貨幣がネムブロックチェーン上でモザイクの形で全6カテゴリ発行されました。ユーロ経済圏に属している関係上、法定通貨としては発行されていませんが、全6カテゴリをネムブロックチェーン上で集めると、法定通用力のある記念銀貨と交換できる形になっており、間接的に法定的な価値を持つ使われ方をしていると言えます。ネムネットワークでブロックの検証作業をすることをハーベストといい、自分のパソコンなどからでもできる通常のハーベストと、人に委託して行うデリゲートハーベストの2種類があります。また2021年には、ネムネットワークに新たなチェーンができました。その新しいチェーンでのネイティブトークンをシンボル (XYM) といい、初期分配は1ネム (XEM) を持つ人に1シンボル (XYM) を与えるという比率で行われました。ネムネットワークのプライベートチェーンであるMijinは使用する企業から、高いセキュリティとコントラクト実行の簡易さを評価されています。

ネム (XEM) のリスク

ネム (XEM) 自体のセキュリティは非常に高く、同じくコントラクトのプラットフォームのイーサリアムネットワークと比較しても、脆弱性が少ないことがわかっています。しかし、2018年1月に発生したCoincheck社からの盗難事件以降、大幅な価格下落がありました。この盗難事件は、ネムネットワーク自体の問題ではなく、Coincheck社の管理体制に問題があったことに起因するものですが、巨額のネム (XEM) が盗難・ハッキングされたという報道が広く出たために、ネム (XEM) 自体のイメージが下落し、価格上昇の抵抗となっている可能性があると考えられます。またプラットフォーム型としては、イーサリアムと競合する面もデメリットとして存在します。プラットフォームとしてブロックチェーンネットワークが使用される場合は、ネットワーク外部性により使用されればされるほど更に使用されやすくなるという傾向にあるため、執筆時点 (2021/06/06) 時価総額2位のイーサリアム (ETH) との差を縮めるのが難しい可能性があります。