ETH基本情報

イーサリアム (ETH) とは

イーサリアム (ETH) とは、DAPP (分散型アプリケーション) 向けのオープンプラットフォームのプロジェクト通貨です。世界初の仮想通貨ビットコイン (BTC) が堅牢な通貨として開発・運用されているのと対象的に、イーサリアム (ETH) は、スマートコントラクトという機能を盛り込むことにより、非常に拡張的なプラットフォームとして運用されています。流動性もとても高く、ほとんどの取引所で扱われています。また執筆時点 (2020/06/02) の時価総額は32兆円ほどで、ランキング2位に位置します。多くの通貨にある発行上限は今のところ設けられていません。

イーサリアム (ETH) の歴史

イーサリアム (ETH) は、2013年11月にヴィタリック・ブテリン氏により考案されました。2014年7月にはその構想を実現するためにICOを行い、25000BTC (当時15〜17億円相当) 以上を集めることに成功しました。その後は、順調に成長を続けていたイーサリアムネットワークですが、2016年6月にThe DAO事件が起こります。The DAOとは、イーサリアム上で自立分散投資のできるプロジェクトでしたが、脆弱性があったため、当時の金額にしておよそ80億円ほどのイーサリアム (ETH) が盗難されてしまいました。集められた金額は、当時のイーサリアムのおよそ10分の1を占めるという非常に大きな額であったため、損失を受けた人が大勢いました。その盗難された取引を認めるか、不正なものとして無効とするかの方針の対立が起こり、その結果、イーサリアムクラシック (ETC) とイーサリアム (ETH) に分岐することになります。

イーサリアム (ETH) の特徴

イーサリアム (ETH) の特徴は、スマートコントラクトの機能が存在することです。それら機能を用いて、非常に幅広いアプリケーションをブロックチェーン技術と組み合わせて使うことが可能になり、この拡張性の高さがイーサリアムを人気通貨に押し上げたとも言われています。またこのようなイーサリアムの仕組みを使い、ERC20などの独自のトークンを誰でも作ることが可能です。これにより新規プロジェクトの多くは、わざわざ独自の新しいチェーンを作る必要がなくなり、イーサリアム上で動く仮想通貨として設計されることも多くなりました。近年ではDeFiやNFTのプラットフォームとして多く起用されており、数多くのプロジェクトが日々イーサリアム上で生み出されています。

イーサリアム (ETH) のリスク

このように非常に人気のあるイーサリアム (ETH) ですが、一方でスケーラビリティ問題が発生しています。スケーラビリティ問題とは、利用者の急激な増加によりイーサリアム・ネットワークに対しての負担が重くなりすぎることで、手数料の高騰や、取引の遅延などが発生することを指します。これにより平均の取引手数料が40ドルを超えたこともあり、一般ユーザーの大きな負担となっています。イーサリアムネットワークの人気が再燃するたびに避けられない問題とも言えるでしょう。ただし、イーサリアムの開発者らがアップデート情報などを発表・公開する場として知られるethereum.orgによると、手数料および送金遅延の問題は、イーサリアム2.0へのアップデートにより近い未来に改善されるとも言われており、引き続きイーサリアム (ETH) への注目は続きそうです。